解説付 臨床工学技士国家試験 第36回 午後:第90問

人工肺のハウジング(外筒)に使われる材料はどれか。

1: ポリ乳酸

2: セルロース

3: ポリカーボネート

4: ポリウレタン

5: ポリビニルアルコール

人工肺とは、血液中に酸素を付加し、血液中から二酸化炭素を除去するものをいう。人工肺は中空糸という中が空洞のストロー状の糸を束ねた中空糸膜からできており、成人用人工肺には、約1万本の中空糸が使用されている。中空糸の内側をガスが流れ、外側を血液が流れる。中空糸は外径が約0.2~0.3 mmで、その孔を通して拡散によってガス交換が行われる。人の肺胞の表面積を合計すると約60~70m2(テニスコートの1/3)であるのに対し、成人用人工肺の中空糸の面積は合計2m2前後である。
人工肺の素材としては、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、シリコーンゴムが用いられる。
人工肺のハウジングや人工心肺の回路コネクタ類はポリカーボネート製が用いられる。
人工心肺の回路やローラーポンプ内チューブに用いられる材料として、力学特性である弾性と血液成分にたいする不活性な性質が必要である。ポリ塩化ビニル、ラテックスゴム、シリコーンゴムなどがある。

1:縫合糸、生体吸収性骨固定剤、ステント等に用いられる。

2:化学安定性が高く、浸潤状態でも高い機械的強度を示す。ガーゼ、脱脂綿、包帯の他、セルロースアセテート膜として人工腎臓の中空糸としても用いられる。

3:正解。熱可塑性樹脂の一つで、高い透明性や耐衝撃性、加工性、耐薬品性などの特徴がある。人工肺や人工心臓、人工腎臓のハウジングや人工心肺の回路コネクタ類、輸液用コネクタ、三方活栓等はポリカーボネート製が用いられる。

4:柔軟性、弾性、耐疲労性、耐摩耗性に優れている。拍動型人工心臓のダイヤフラム、人工腎臓の中空糸としても用いられる。

5:水溶性合成樹脂の一つで、親水性が高い特徴がある。コンタクトレンズ等に用いられる。

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臨床工学技士 国家試験 過去問
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